抗体 検査 コロナ ウイルス。 【命を救う】新型コロナウイルスの抗原・抗体検査 (2020/6/12 更新)

新型コロナウイルス検査 「PCR検査」と「抗体検査キット」の違いは?(柳田絵美衣)

抗体 検査 コロナ ウイルス

ゴールデンウィークも終わりましたが皆さまいかがお過ごしでしょうか。 5月に入って大宮の街並みもさらに人通りが少なく寂しい感じが致します。 また去年までの平和で活気のある大宮に戻って欲しいものですね。 さて、今回は新型コロナウイルスの検査について解説していきたいと思います。 話題のPCR検査からまでです。 他のウイルスの例も挙げながら説明していきます。 当院でもを5月14日より開始致しました。 6月13日現在までで695人の方が検査を受けられました。 下記の抗体検査の3-7、3-8に、 当院の抗体検査でわかった感染率、東京都やアメリカで行われた大規模に行われた抗体検査の感染率との比較検討を追記させて頂きました。 現時点での考察も述べさせて頂きましたので参考にして頂けたら幸いです。 1 1. 2 1. 3 1. 4 1. 5 1. 6 1. 7 1. 8 1. 9 2 2. 1 2. 2 2. 3 3 3. 1 3. 2 3. 3 3. 4 3. 5 3. 6 3. 7-1 3. 7-2 3. 8 新型コロナウイルスのPCR検査 そもそもPCR検査とは PCRとは、polymerase chain reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の略語です。 ポリメラーゼとは何なのか。 ポリメラーゼとはDNAやRNAというウイルスの遺伝子を構成する一部です。 PCR検査は、ある特殊な液体に検体を入れ、ウイルス遺伝子の特徴的な一部分を切り取り連鎖反応で増幅させる検査です。 つまり、患者様から取ってきた検体を特殊な液体につけることで、もしそこに新型コロナウイルスがいれば、その中のある特有の一部分を見つけ、その部分を切り取り増幅させることで、新型コロナウイルスがいるかどうかが判定できる、という検査です。 PCR検査で行われている検査はヒロパピローマウイルス(尖圭コンジローマ、子宮頸癌の原因ウイルス)、クラミジア(性病の一種)、淋菌(性病の一種)などがあります。 新型コロナウイルスのPCR検査はどこで行われているか 埼玉県では保健所で行なっております。 現時点ではクリニックや病院を通じてでないと保健所でPCR検査が出来ないことになっております。 5月18日から 大宮医師会でも診療所を通じて紹介のあった患者様に新型コロナウイルスのPCR検査を始めました。 また、公表はされておりませんが一般の病院でも行なっているところはあります。 こちらはパニックを防ぐために当院から積極的に紹介はできないことになっております。 これがPCR検査の限界でそれを知った上で検査に望まなくていけません。 なぜPCR検査を簡単に受けれないか、検査数が増えないのか。 例えば、日本人の人口1億人をPCR検査を調べたとします。 そして感染している人の割合を0. (5月10日時点で全国で15000人と発表されております。 100万人に対して全国の病床を合わせても13000ベッド程度です。 これにホテルの部屋を合わせても到底足りませんよね。 日本国民全員がPCR検査を受けるのはかなり大げさな話ではありますが、その100分の1の100万人が検査を受けたとしても1万人が不要な病院のベッドやホテルの部屋が必要となります。 全国のベッドが13000に対してかなり大きな割合を占めしまいますね。 このような理由から、保健所は現時点では検査を絞っているのです。 新型コロナウイルスのPCR検査はどれくらい時間がかかるのか 2020年5月末日では数時間から1日かかります。 ですが現在研究が進んでおり、より短時間で結果が出るPCR検査も開発されてます。 4月20日の時点で既に島田製作所から1時間で結果が出るPCR検査キットが販売されると発表されております。 PCR検査に時間がかかることで陽性疑いの患者様が一旦帰宅して他者にうつす可能性があります。 より短時間でPCR検査出来ることで検査施設に患者様を留めておくことが出来ますので、新型コロナウイルス感染拡大防止に繋がります。 新型コロナウイルスの実際の検査の方法は インフルエンザの検査と同じく、鼻から綿棒を入れて、鼻咽頭のぬぐい液から検査を行います。 唾液から検査できる方法も今後行われることになると思います。 鼻から綿棒を入れることで患者様がクシャミをすると検査者にも感染のリスクがかなり高まります。 唾液から検査が可能になれば検査者の負担がかなり軽減されます。 5月26日にから発表された報告で、唾液でも鼻腔粘液から取った検体と同等の正確性が見られたとのことでした。 今後に期待出来ますね。 当院でも海外渡航者の証明のための唾液によるPCR検査を自費診療で6月9日よりはじめております。 感染後のPCR検査の使い方 新型コロナウイルスがPCR検査陽性で入院した患者様をどのようにして感染から回復したと判断するのでしょうか。 米国医師会雑誌JAMAが発表した論文では、PCR検査は喀痰や便からの検体だと最低でも1ヶ月以上陽性と出てしまいます。 1番期間が短い鼻腔からの検体も3週間は陽性となります。 これは生きている新型コロナウイルスを検出していない場合もあるので、PCR検査を回復の判定に用いない方が良さそうです。 米国CDC 疾病予防管理センター の方針では、医療従事者で新型コロナウイルスに感染した場合、発症後10日を経過して呼吸器症状や発熱が72時間みられなければ仕事復帰して良いとしています。 PCR検査は感染したかどうかの判定には向いていますが、治癒判定には用いない方が良いということですね。 2020年6月1日 PCR検査の今後 検査数が少ないと言われているPCR検査ですが、私の個人の意見としてはこのペースで検査を絞って医師が必要と判断した患者様のみPCR検査を行うということで良いのではないかと考えております。 テレビやマスコミでは日本全国民がPCR検査を受けた方が良いという意見もあります。 そうなると先述の通り確実に偽陰性や偽陽性の方が大勢出てくるため混乱を招く原因となります。 PCR検査は医師によってある程度絞ることが大切だと考えます。 ただ、医師が必要と考えていても保健所側から断わられるケースもあるようで、もう少しスムーズに検査できる体制は整えていけたらなと思います。 大宮でも5月の中旬から医師会がPCR検査を行っております。 保健所に加えてより検査数が増えることが期待されます。 また、経済再開に伴い感染していない証明のPCR検査も今後必要になることは多くなるでしょう。 当院でも唾液によるPCR検査を6月9日より開始しました。 必要だと思う患者様に適切な検査を行う体制が出来上がりつつありますね。 当院での自費のPCR検査 海外渡航前、仕事復帰前 6月9日より当院でも唾液によるPCR検査を保険外診療で行なっております。 対象者は海外渡航に必要な方や仕事の復帰の際に必要な方などが対象です。 現在インドネシアやタイなど入国前に証明書が必要な国もあるようです。 事前に渡航する国の大使館にお問い合わせ下さい。 英文での証明書も発行致します。 咳や発熱など現時点で症状のある方が対象ではありませんのでご了承下さい。 費用は自費診療 保険外診療 で35000円 税込 診断書料金含む となっております。 唾液による検査のため、検査者に暴露する心配がなく医療者側にも安全な検査となっております。 検査結果が出るまでには2日かかります。 検査結果までの日数は現時点のもので今後短くなる可能性があります。 検査結果は来院して頂き医師から説明することも可能です。 唾液のPCR検査の予約はお電話にてお願いいたします。 法人での対応も可能です。 人数によっては出張検査も対応しておりますので、お値段など電話にてご相談ください。 新型コロナウイルスの抗原検査 抗原検査とは みなさま馴染みのあるインフルエンザの簡易検査が抗原検査です。 鼻咽頭から検体を採取し、ウイルスに特有の物質とくっつく物質が入った液体に入れます。 数分で結果は出ます。 抗原検査は正確なのか インフルエンザウイルスの検査はかなりの確率で偽陰性や偽陽性が出ます 検査時に鼻出血を起こすとかなりの高確率で偽陽性となります。 つまり、感染していないのに陽性と出たり、感染しているのに陰性と出たりします。 新型コロナウイルスでも抗原検査はPCR検査と比べてかなり正確性は劣るようです。 新型コロナウイルスでの抗原検査 アメリカでは本日5月10日より抗原検査を導入することになりました。 日本では5月13日より導入を開始しております。 先述した通り、PCR検査よりも正確性は劣ることは間違いなく、PCR検査を補う検査の位置付けということになります。 これは個人的な意見ですが、PCR検査よりも正確性が劣るのであれば陰性と陽性の確証が得られないため、やはりPCR検査を受けないと患者様は安心出来ないのではないかと思っております。 2020年5月末時点では抗原検査はPCR検査の前に行うスクリーニング検査としての位置付けです。 横浜市立大学から開発された抗原検査キットを用いると新型コロナウイルス以外からは陽性反応が出ないため、 抗原検査で陽性と判断された患者様は新型コロナウイルスに感染していると断定して良いとされてます。 陰性の方は感染を否定出来ないため、症状に応じて必要ならPCR検査を行います。 新型コロナウイルスの抗体検査 抗体とは 抗体とはウイルスが体内に入ってきた時にウイルスを体内から除去しようと身体が作り出すタンパク質です。 ウイルスに結合することでウイルスを排除します。 抗原・ウイルスが体内に入ってから数日から数ヶ月して抗体が作られます。 抗体を体内に持つことで、再度同じウイルスが体内に入ってきても抗体がウイルスにくっついて排除してくれます。 他の抗体検査では、C型肝炎ウイルスやHIVの抗体検査は行われております。 新型コロナウイルス抗体検査の方法 細い針を指先に刺し、数滴血を検査キットに垂らします。 数分待てば結果が出て、陰性か陽性かがわかります。 新型コロナウイルスの抗体検査が陽性の意義 抗体検査が陽性だと、以前に新型コロナウイルスにかかったことが証明されます。 また今後、同じ新型コロナウイルスが入ってきても抗体が排除してくれて感染しないとされてます(まだこれに関してはデータが出ていないため期待を込めてそうであって欲しいと願ってます)。 軽症でかかった場合と重症になった場合とでは作られる抗体の量が違います。 軽症でかかった場合でも生涯抗体が継続してくれれば良いですよね。 これは発表されている感染者の数十倍に当たります。 つまり、感染していても気づかない軽症者がたくさんいるということになりますね。 ワクチンとは 抗体を作るために打つ注射がワクチンなのです。 身体に害のない範囲で弱毒化した新型コロナウイルスを体内に注入し抗体を産生させます。 ワクチンの開発も待ち遠しいですよね。 抗体検査は正確なのか 3月末くらいから日本に輸入されていた中国製の抗体検査キットは陽性率が不正確だとして回収されました。 新型コロナウイルス抗体検査の今後の活用の仕方 街のクリニック、診療所でもここ数週間でができるようになってきました。 先述の通り、当院でも5月14日よりを開始しております。 抗体検査を受けて結果が陰性の場合、今後もなるべく人混みを避けて生活していく必要があるでしょう。 抗体検査結果が陽性の場合、二度目はかからないという前提の上では、仕事に出社しやすくなりますし人混みを避ける必要もなくなるでしょう。 医療従事者も抗体を持っている方が患者様と接するようにすれば良いのではないかと思われます。 ただ、これから抗体に対しての新たなデータがたくさん発表されると思いますので、慎重な対応が必要になると思われます。 抗体検査が普及し、外に出れる人が増えるようになればまた去年のような日常を取り戻せる日が来るかもしれません。 5月26日にから発表された抗体検査についての報告では、抗体検査は集団免疫が獲得されているかの疫学調査という目的であり当人の現時点での感染状況を確認するための検査の位置付けではないと明記してあります。 今後の情報も随時更新していきます。 当院の新型コロナウイルス抗体検査 IgM. IgG の結果 当院では抗体検査を5月14日から開始し、6月11日までで660人に検査を行いました。 下記に結果を記します。 結果 IgM - IgG - IgM + IgG - IgM - IgG + IgM + IgG + 人数 670人 15人 5人 5人 まだ695人の方の結果ですが、96. 中には、症状が以前あったのに陽性じゃないんだ、 と抗体を持っていないことに落胆されている方もいらっしゃいまし た。 そして3. そのほとんどの方が感染して1ヶ月〜2ヶ月以内の IgMのみしか持っていないという結果でしたが、 コロナ感染が流行し始めた時期を考えると妥当な結果かと思われま す。 東京の抗体検査との比較 東京で4月に行われた抗体検査の陽性率が500人に対して3人で 0. 当院は上記の通り3. このデータが偽陽性ではなく正しいと仮定した上での考察を述べた いと思います。 東京の抗体検査は献血に来た方の血液を検査したということで、 当院の検査結果とはベースが違います。 当院に抗体検査に来た方は以前新型コロナウイルスにかかったかも しれないという思いがあり受診された方が多いのでしょう。 献血はそのような経験とは無関係な方々です。 なので陽性率に10 倍の開きが出ることは当然の結果と思われます。 ただ、東京は500人、当院は695人なので、 もっとより多くの人数で抗体検査をし状況を把握することが大切で す。 今後も定期的に検査結果を報告していきたいと思います。 当院でも抗体陽性率は3. そして、死亡数はアメリカで5万人、日本で700人台であり、人口10万人に対しての死亡率は30倍程の差があります。 日本人が重症化しない原因についての考察の1つにの関係について以前のコラムで書きました。 もしよろしければそちらもご覧下さい。 BCGワクチンはインフルエンザから膀胱癌の予防にまで役立つとされてます もしBCGワクチンや日本人が全員接種しているワクチンが重症化を抑えているのだとしたら、次のような仮説が考えられると思います。 日本人はBCGや何かしらのワクチン、もしくは日本人特有の体質の影響で新型コロナウイルスに感染してもウイルスの大半が除去されてしまう。 最近の研究ではBCGワクチンを投与することで、自然免疫を獲得すると言われております。 つまりBCGによって結核菌以外のあらゆる細菌やウイルスに対してもある程度の免疫力がつくということになります。 除去されたことで体内に留まるウイルスは少量である。 少量なため抗体が作られる程の量に達せず抗体が産生されない。 全てのウイルスが除去されないまま症状も軽症な状態で長期間経過する。 長期間微熱や咳や味覚障害などの症状があってもその後抗体検査すると抗体が検出されない。 もちろん日本人の中には重症化される方もいらっしゃいますので、全ての方に上記のことが当てはまるわけではありません。 今後、人種による重症化や抗体の保有率の差について明らかになっていくでしょう。 また新たなことが論文などで発表された際にはこちらで紹介していこうと思います。 また今後もなるべくポジティブな話題を皆さまに提供していけたらと思います。 我々大宮エヴァグリーンクリニックはとが専門ですので、それらに関する新しいトピックもコラムにて提供しております。 現在当院ではをしながら診療を継続しております。 またも行っております。 全国どこからでもは可能です。 泌尿器科、消化器科、内科でお悩みの方は是非上記のリンクか下部のバナーよりご相談下さい。 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。 消化器科 胃カメラ ・泌尿器科・内科・人間ドック 大宮エヴァグリーンクリニック 院長 伊勢呂哲也.

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新型コロナウイルスの正体と抗体

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猛威を振るう新型コロナウイルス。 感染者数が日々増加するなか、連日耳にする「PCR検査」と「抗体検査(検査キット)」とは、どのような検査なのか?それぞれの特徴や両検査のメリットなどを解説したい。 PCR検査は、 現在ウイルスが体内に存在しているのか(感染しているのか)を調べることができる。 これに対して抗体検査は、 過去に感染したことがあるのかや、 現在の感染の状態(感染初期なのか、感染してかた時間が経過しているのか)、 ウイルスに抵抗する能力(抗体)をすでに獲得しているのか(人にうつしにくいのか)を調べることができる。 PCR検査では、鼻咽頭に綿棒などを入れ、 鼻の奥をぬぐった粘液(鼻咽頭ぬぐい液)や気道の奥から排出される痰を検査する(インフルエンザのように鼻の奥から検体を採取する)。 鼻咽頭ぬぐい液の採取は専門家(医療従事者)が行う。 検査キット(抗体検査)は、抗体が血液中に存在するため、 血液を採取して検査する。 PCR検査は抗体検査より精度は良いが、PCR検査も含むすべての検査で偽陽性(感染していないのに陽性と判定される)、偽陰性(感染しているのに陰性と判定される)がある。 偽陽性や偽陰性が起こる原因は、使用する試薬や機材の精度や人為的なものなど様々なことが考えられる。 偽陰性の原因の一つとして、検体の採取方法や採取した検体に含まれるウイルスの量の差なども考えられる。 そのため、検体を採取する医療従事者は正確に、かつ確実に検体を採取する必要がある。 我々 臨床検査技師は、 専門の研修を受けた者のみが、この検体採取(鼻咽頭ぬぐい液の採取)を行うことができる。 以下からは、PCR検査、抗体検査それぞれについてさらに詳しく解説する。 このため、 「ウイルスが存在するか?」を確認するためにはウイルスのRNA(遺伝情報)の有無を確認することになる。 しかし「PCR検査」のPCRはPolymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の頭文字をとったもので、 微量のDNA断片を増幅して検出する方法である。 つまり、 ウイルスの増殖に必要な設計図のようなものが含まれている。 DNAには、生物の体を構成する設計図(遺伝情報)が書き込まれている。 DNAは、鎖のような構造をした物質に書き込まれており、 DNAは二本の鎖が対になってらせん状の構造をしており、安定した状態にある。 DNAの二重らせん構造 体を構成する際には、この遺伝情報を コピーすることから始まる。 DNAの二本の鎖を解いて一本鎖にし、その鎖をコピーしていく。 これを「転写」と呼び、このとき コピーされたものがRNAである。 このコピーをもとにして蛋白質が作られ、体を構成していくのだ。 DNAとRNAの関係 RNAは 一本の鎖のみであり、DNAに比べて 不安定な構造をしている。 RNAを遺伝物質として持つRNAウイルスは、遺伝子としての安定性が低いことになる。 しかし、不安定であるがため、 変異スピードが速いことが特徴の一つでもある。 つまり、RNAウイルスは変異スピードがDNAウイルスよりも速いのだ。 RNAは不安定な物質であるため、取り扱いが難しい。 そのため、RNAウイルスを調べるためのPCR検査では、まず RNAを安定したDNAに変換してから検査を行う。 つまり、RNAウイルスの有無を検査するには、まずRNAをDNAに変換することから始まる。 これを「逆転写」と呼ぶ。 DNAやRNAは目に見えず、非常に小さな物質であるため、その存在を確認するには、ある程度の量が必要となる。 そのため、次に、量を増やす工程である「 増幅」を行うのだ。 DNAの数は1サイクルのPCRでおよそ 2倍に増えていく。 したがって、20サイクルのPCRにより、最初に存在したDNAのおよそ100万(2の20乗)になる。 これにより、採取された検体の中に新型コロナウイルスのRNAが含まれていれば、 RNAから変換されたDNAが増幅されて陽性となり、検体の中にRNAが含まれていなければ 何も増幅されないので陰性となるのだ。 PCR検査では、この 増幅工程に時間を要するため、 検査結果が判明するまでに数時間要するのだ。 一方、多くの企業や研究所が開発や輸入・販売している「(抗体)検査キット」は、 10~20分程度で結果が判明する。 検査キットで調べる 「抗体」は、ウイルスが体内に侵入した際に、体内で作られる物質である。 異物が体内に侵入した際に、異物に対して特異的に反応する蛋白質(抗体)を産生する。 産生された抗体は、 同一の異物が再度侵入してきた際に、その異物に対して抵抗する能力を発揮する。 IgMは異物(ウイルス)侵入の初期に出現し、他の物質とともにウイルスを中和する。 その後、IgGが出現する。 IgGはその異物に対して長期的な免疫を提供する役割を持つ。 つまり、抗体を調べることで 「感染したのか」ということを確認することができる。 IgMが出現していると、感染して間もないことを示し、 IgGが出現していると過去に感染し、ウイルスに抵抗する抗体をすでに獲得していることを確認できるのだ。 抗体検査(検査キット)は、精度は劣るが 「すでに感染した。 」「ウイルスに対する抗体を獲得している。 」ということ・・・つまり、 「今後感染し重症化する可能性がない」「他の人に感染させる可能性がない」ことを知ることが出来るため、それらの不安を解消することができる。 新型コロナウイルスが「一度感染すれば、再感染をしない」ということはまだ明らかではないが、多くの感染症に対しては証明されている。 サルについて行った実験で、一度、新型コロナウイルスに感染し、回復したサルがもう一度感染するかどうかを検証したところ、 再感染しなかったという研究結果が報告されている。 ヒトでも再感染しない可能性はあるのではないかと期待できる。 しかし、 抗体検査(検査キット)はスクリーニング検査の位置づけであるため、検査キットで陽性となった場合は、 医療機関で診察、診断を受けて欲しい。 状況に応じて、 検査法を使い分け、少しでも不安を解消することや、正しい処置を受けるなどして欲しい。 そしてもう一つ、知っておいて欲しい。 PCR検査は、どの施設の、誰でもが実施できるわけではないことを。 感染性のあるウイルスを取り扱うのなら、なおさらのこと。 適切な設備、適切な機材、正しい知識と正しい技術を持った専門家が揃わなければ、実施できない。 設備が不十分だと、さらなる感染を起こしてしまう可能性がある。 機材がなければ検査はできない。 適切な専門家がいなければ、正確な検査結果が出ない。 そのため、一度陰性の判定だったとしても、検査する時期や方法、手技によっては結果が異なる場合もある。 それは「どんな検査においても」である。 陰性と判定されても、感染対策はしてもらいたい。 あなたが媒介となって、 他の人にウイルスを運んでしまうことも有り得るのだから。 仮にあなたがウイルスに感染しても重症化しなかったとしても、あなたが媒介となって ウイルスを運んだ先に、重症化する恐れのある人がいる。 それが「自分の大切な人」だとしたら? 考えて欲しい。 誰かの命を脅かすようなことは決してしないで欲しい。 (*トップ画像以外のイラスト,表は全て筆者が作製したもの) 参考 ・臨床検査技術学13 免疫検査学, 医学書院, 1998 ・検体採取等に関する厚生労働省指定講習会テキスト 一般社団法人日本臨床衛生検査技師会 3. 微生物学的検査等における検体採取に必要な知識・技能・態度(鼻腔拭い液、鼻咽頭拭い液、咽頭拭い液、鼻腔吸引等の採取) ・Bao, L. , et al. , Reinfection could not occur in SARS-CoV-2 infected rhesus macaques. bioRxiv, 2020: p. 2020. 990226.

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【命を救う】新型コロナウイルスの抗原・抗体検査 (2020/6/12 更新)

抗体 検査 コロナ ウイルス

この方法は遺伝子の増幅を行う検査であるが、結果が出るまでに時間を要する。 検査も煩雑で、設備や機器も必要となる。 そのため、 簡便で迅速な検査方法のニーズが高まってきた。 そんななか、多くの民間企業や研究所が新型コロナウイルスの簡便な検査方法や試薬の開発を進めている。 現在、開発・販売され始めた検査キットの中に「 イムノクロマトグラフィー法」を原理としたものがある。 以前から、細菌感染やウイルス感染の有無を判定する際に利用されている方法である。 感染時に体内で生成される抗体を検出することにより、感染初期の患者に対しても判定が可能である。 ウイルス感染後に産生されるIgG抗体は、発症後1週間ほど経過した後に上昇する。 その時点での感染状態を必ずしも反映しない場合もある。 そのため抗体の有無が、確定診断や治療法の選択に役立つことが期待されている。 一滴の血液検体から簡便に測定でき、 10~15分で検査結果が得られる。 キットの感度、特異度ともに 90%以上というデータが出ている。 検体中のIgM、IgGは、検体滴下部にあらかじめ準備された金コロイドで標識された抗原(標識抗原)と免疫複合体(これを抗原抗体反応と呼び、目的の抗原とその抗原に対応する抗体は「鍵と鍵穴」の関係のように結合する)を形成しながらキットのろ紙上を移動する。 キットのろ紙上の1本目の判定部位にあらかじめ固定化された抗体は抗原と結合した抗体(IgM、IgG)をトラップし、金コロイドが蓄積して呈色(色がつく)する。 それを目視により判定する。 抗原と同じように検体滴下部位に準備されていた金コロイドで標識された抗体は、そのままキットのろ紙上を移動する。 2本目の判定部位にあらかじめ固定化された抗体は、この金コロイドが標識された抗体をトラップし、金コロイドが蓄積して呈色(色がつく)する。 それを目視により判定する。 つまり、2本目の判定は「きちんと検体が最後まで流れて移動した。 (検査完了)」を意味する。 陰性の場合は、2本目の判定部位のみに色がつく。 2本目の判定部位に色づきが無い場合は、検査失敗を意味するため、再検査が必要となる。 2、一定時間放置する(反応時間)。 3、目視により判定する。 妊娠診断やインフルエンザ感染の有無などの検査キットも同じような原理(イムノクロマトグラフィー法)が用いられている。 キットはあくまでもスクリーニング検査であるため、 正確な診断の確定は病院で行う(精度の高いPCR検査などを行う)必要はある。 検査のタイミングなども判定に影響を与える場合もある。 しかし、安価かつ迅速に判定が可能なため、スクリーニング検査の一つとして、検査に貢献してくれることを期待したい。 (すべてのイラスト図は筆者によるもの).

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